筆の正しい手入れがされていないと、筆の耐久性が低下し、微生物が増加するリスクが高まります。
この記事では、筆の太さに応じたケア方法や、洗面所を汚れから守りながら、簡易的に筆を洗浄する方法、専用クレンザーを使用した手順を紹介します。
書道が学校のカリキュラムとして始まると、筆のケアが重要になります。
最近は使用後の筆を学校での清掃せず、家での洗浄が一般的です。
適切な洗浄が行われていない筆は、毛の根元が墨で硬くなる可能性があり、また、雑菌が繁殖してしまう恐れがあります。
このため、親子で知っておくべき筆のケア方法や、簡単に洗浄できるテクニックを紹介します。
習字(書道)で使った筆は、洗った方が良い?洗わない方が良い?
書道の筆を洗わない方がよいとの認識を持つ人もいますが、それは誤解です。
筆に使用する墨の主成分は、動物性のたんぱく質であり、筆の毛に墨が残存すると、毛が劣化し、抜け毛やダメージを引き起こす可能性があります。
また、硬くなった筆の毛は折れやすくなり、清掃を怠ることは筆にとって良くありません。
使用後はきちんと洗浄しましょう。
ただし、細い筆は特定の部分が固められているのが一般的で、太い筆と同じ方法での洗浄は推奨されません。
太筆(大筆)の洗浄方法
まずは太筆(大筆)の洗浄方法を紹介していきます。
- 使用済みの半紙やティッシュで、筆の墨を除去します。
- ぬるま湯を使用して、筆の墨を溶かします。毛の根元までしっかりと濡らすことが重要です。流水でもかまいませんが、初心者の方など根本まで筆をおろしていない場合は、筆の根本が割れないように注意しましょう。
- 筆の毛を優しく揉みながら洗浄します。指の腹を使うようにしてください。容器を使用して洗浄する際は、容器に押し付けたりして毛先がダメージを受けないように注意が必要です。
- 清掃後、余分な水分を取り除き、形を整え、風通しの良い場所で乾燥させます。購入時についていたキャップはしないでください!生乾き状態になってしまいます。
細筆(小筆)の洗浄方法
次は細筆(小筆)の洗浄方法を紹介していきます。
- 水で湿らせた紙やティッシュで、筆の墨を取り除きます。穂先をなでつけるようにしてください。小筆は根元の部分をほぐしてしまわないように気を付けます。
- 毛の形を整え、乾燥させます。太筆と同様に風通しの良い場所で保管してください。
汚れにくい習字(書道)筆の洗浄方法(ペットボトルを利用)
家庭での筆の洗浄時の問題として、洗面台が汚れることが挙げられます。
ペットボトルを使用して筆を洗浄する方法を取り入れることで、汚れを最小限に抑えることができます。
【ペットボトルを利用した筆の洗浄方法】
- 2Lのペットボトルを横に半分ぐらいにカッターナイフで切る
- 飲み口側を排水口に差し込む
- 排水口に差し込んだまま、ペットボトルの内側で筆を洗浄
残った下半分は洗浄後の筆の仮置きケースとして使用するのも良いですね♪
同じペットボトルを何度も使用する場合は、切り口にテープを貼っておくと安全です!
習字(書道)筆の洗い方Q&A
習字(書道)の筆はシャンプーで洗うと良い?
髪用のシャンプーは洗浄力が強すぎるため、筆を傷める原因となります。
どうしても水だけで落とせず困る場合は、筆用のシャンプーを使用してください。
固まってしまった筆はどうすれば…?
まずは一晩~一日程度、ぬるま湯でつけ置きをしましょう。
墨が溶け出してきて水が黒くなったら水を入れ替えてください。
細筆(小筆)ののりが落ちてしまったらどうすれば良い?
私なら根元までほぐしてしまいます!
ほぐれた状態で使いにくいと感じたら、買い替えるか専用ののりを使用することも良いでしょう。
まとめ
筆を綺麗に保つことで、墨ののりも向上します。
お子様が習字道具を家に持ち帰る際、その筆のコンディションを見てあげることが大切です。
適切なお手入れを行うことで、筆の寿命も伸びるでしょう!