日本習字の成人の部には、複数のコースがあります。
習い始めるとき、どのコースを選べば良いか悩んでいる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
日本習字歴15年の筆者が、実体験をもとに各コースの特徴を紹介します。
こんな方に読んでほしい!
・日本習字への入会を検討中
・日本習字の入会は決めているが、どのコースを選択すれば良いか迷っている
・来年度、子どもの部から成人の部に上がる
・一つのコースの最高段位を取得して、来年度からどうするか迷っている
筆者の日本習字歴
・小学生~現在継続中(執筆時点)
・中学1年生で毛筆八段(子どもの部)、中学2年生で硬筆八段(子どもの部)取得
・経験した成人の部のコースは、『漢字部』『ペン部』『かな部』
・執筆時点で取得している段位は、『漢字部八段』『ペン部準五段』『かな部初段』
日本習字 成人の部飛び級は可能!
日本習字の成人の部は、昇級のあるコースでは飛び級が可能です。
また、子どもの部で最高位である八段を取得した場合は、高校生の歳になる前に、特待生として成人の部を開始することができます。
年齢制限はありません。
日本習字 成人の部のコースの種類と特徴
漢字部
「漢字部」では、毛筆による漢字の基本五書体(楷書・行書・草書・隷書・篆書)を基礎から応用まで幅広く学習し、段級位取得や習字師範免許取得を目指します。基礎からしっかりと学びたい方を対象にした日本習字のメインコースです。また、将来、習字教室の開設を目指す方のため、児童の指導に役立つ「ひらがな」課題も学習できるようになっています。上級者は「条幅」(掛軸などで一般的に見られる作品のサイズ)の課題にも取り組んでいただけます。
出典:日本習字:入会のご案内「https://www.nihon-shuji.or.jp/general/admission/」
日本習字公式サイトにもあるように、このコースでは毛筆の基礎が学べます。
また、初段から師範免許を取得することができるため、習字教室を開きたい方にもおすすめです。
このコースは初級~上級まで様々なお手本があるため、どなたにでもオススメできるコースです。
特にオススメしたいのは、子どもの部の毛筆で高段位を取得した方。
八級からスタートするのですが、最初の提出で実力によって飛び級します。
子どもの部で高段位を取得している方は、そのまま漢字部で免許取得すると良いでしょう。
また、「ひらがな」課題は、昇段用の課題とは別に、無料で添削していただけるので、ぜひ提出してください。
ペン部
「ペン部」では、楷書の基礎練習から、手紙文などに最適な連綿(文字を2字以上続けて書くこと)を交えた行書の学習まで、目的やメッセージの内容に適した書体を課題として学びます。
他にも名作文学の一節を味わいながら練習するページや、「仮名(古筆)」を鉛筆で書く練習ページもあります。
実用から趣味にいたるまで、誰もが興味深く楽しみながら学べる人気のコースです。
出典:日本習字:入会のご案内「https://www.nihon-shuji.or.jp/general/admission/」
「ペン部」も「漢字部」と同じ理由で、子どもの部の硬筆で高段位を取得した方にオススメです。
また、普段のボールペンなどで書く字をきれいにしたい方にも良いコースでしょう。
手紙課題などもあるので、実用的なコースです。
くらしの書
「くらしの書」は、手紙やはがき、冠婚葬祭の表書きなどの日常書、くらしを彩る色紙や短冊作品、履歴書など社会で役立つ実用書まで、美しい書き方と書式を学ぶコースです。課題にあわせて毛筆(課題によっては筆ペンも可)・硬筆いずれも用いた学習ですので、漢字部・かな部・ペン部とあわせて受講していただくとたいへん効果的です。身近な課題をきっかけに、筆を持つことを日常のちょっとした楽しみにしてはいかがでしょうか。
出典:日本習字:入会のご案内「https://www.nihon-shuji.or.jp/general/admission/」
こちらのコースは名前の通り、くらし(生活)で役立つことを学べるコースです。
初心者の方は、字の基礎を学ぶために「漢字部」や「ペン部」とあわせて選択することをオススメします。
冠婚葬祭の表書きをきれいに書けたり、美しい履歴書を準備できたりすると、自信につながりますよね。
かな部
「かな部」では、日本古来の優雅な「仮名文字」、四季の変化のある日本の美意識から生まれたともいえる「和歌の散らし書き」、「古筆」を学習できます。上級者には[色紙][扇面][全懐紙]課題にも挑戦していただくことができます。
仮名独特の繊細な書線、文字と余白の調和から生まれる美の世界をぜひご体験ください。
出典:日本習字:入会のご案内「https://www.nihon-shuji.or.jp/general/admission/」
かな部は、書の美しさ、芸術性を楽しむのにぴったりのコースです。
繊細な和紙に、小筆でさらさらと書くイメージで、ある程度筆の基礎が出来ていないと難しいかもしれません。
初心者や、基礎を固めたい方には少し不向きと言えるでしょう。
臨書部
「臨書部」では、主に中国の古典(漢字)を学習します。三千年以上の歴史を誇る漢字の代表的な古典を課題とし、それぞれの時代や書人によって異なる様々な書法、表現方法を体感できるコースです。
出典:日本習字:入会のご案内「https://www.nihon-shuji.or.jp/general/admission/」
臨書部では、古典を課題として書の歴史を学べます。
特殊な書法などを学ぶことができるため、書の面白さをすでに知っているという方には向いています。
応用編といった感じでしょう。
逆に、初心者には向いていないコースです。
墨画部
「墨画部」では、水墨画と彩色墨絵の基本技法(用筆法・用墨法)を学びます。テキストには、連続写真による技法の図解を掲載していますので、初心者や絵が苦手な方でも安心して楽しく学べます。上級になると、詩句を加えた構図などの創作に必要な応用技法を学習します。ぜひ、毛筆の各コースと一緒にご受講いただき、自分だけの世界を表現してみてはいかがでしょうか。みなさんが楽しく上手に描ける技法を伝授します。
出典:日本習字:入会のご案内「https://www.nihon-shuji.or.jp/general/admission
こちらのコースは、字ではなく画(絵)を学びます。
墨画を趣味として楽しんでみたい方、絵の表現の幅を拡げたい方に向いています。
また、字と合わせることで、ポストカードの作成やお名前ポエムなど、商品化するという点でも良くなると思いますので、ぜひ受講してほしいコースです。